クロスメディアエキスパート写真

生産管理部 井上 さとみ
Webディレクター/SE
公益社団法人日本印刷技術協会認定のクロスメディアエキスパート。
お客様からの要望に応じたWebサイトの企画からシステム開発まで、Webに関する業務全般に携わる。
社内でも指折りの熱狂的サッカーファン。

――まずは、今回認証を受けたクロスメディアエキスパートとは、どのようなものなのでしょうか。

井上
情報発信をおこなうメディアは、印刷会社の扱う紙媒体でいえば、雑誌やフリーペーパーなど、その他にも新聞、テレビやラジオといったマスメディア、最近はWeb、その中でもSNSでの情報発信も大きなウェイトを占めるようになってきています。
こうした様々なメディアの特性に合わせた情報発信を企画し、推進していく人を「クロスメディアエキスパート」として認証する制度です。

――初歩的なところですが、マルチメディアとは違うんですか?

井上
情報発信を複数のメディアでおこなうのがマルチメディアで、概念としては似てます。
フリーペーパーを見た人がWebサイトを訪問するとか、ECサイトの利用者が実店舗を利用するとか、メディアで同じことをするのではなくて、メディアごとの役割や特性に合わせて、相互に連携するような提案をするのがクロスメディアの考え方です。

――チラシのQRコードからホームページを見に行くようなものも、クロスメディアでしょうか?

井上
そうですね、そういう感じです。最近だと、ARもありますね。

――認証試験ではどのようなことが問われましたか?

井上
筆記試験と論述試験の2部構成で、一次試験は、マーケティングや経営、各種メディアの特性、IT技術などに関するマークシート式の筆記試験です。
二次試験では、架空の企業の課題を解決するための提案書を作成する論述試験です。今回の試験では、ゲストハウスウェディングの企業に提案をおこなう、という内容でした。

「何を作るか」ではなく、「どうやって解決するか」が求められる

――普段の業務で関わりがあるような内容でしたか?

井上
メインの業務はシステム開発なのですが、Webサイト制作もありますので、Webの知識については問題なかったです。
営業ではないので、マーケティングや経営については分からないことばかりだったので、そこは勉強しました。

――提案とは、たとえばどのような?

井上
問題はJAGATのWebサイトに掲載されていますが、ゲストハウスウェディングなので、ターゲットが限られていて、施策も難しい分野で…。
たとえば、ターゲットは若い女性が大多数を占めていて、基本的にリピートはありません。「結婚式でなくては入れない」という特別感があるので、式場の中を全部公開してしまうような施策は、あまりお客様の要望に合わないような…。

――お客様からの要望もある?

井上
営業の方が作成したヒアリングをまとめた資料が与件として提示されるんですけど、その中にお客様の経営方針や要望、業界の動向などが含まれています。
実際の業務ではヒアリングだったり、お客様の業界動向の調査だったりもしますが、そこがとても重要です。
ヒアリングや調査した情報の中から解決するべき課題を抜き出して、その解決策を考えて、論理的に提案する提案書を作成するのが、二次試験の課題です。

――知識の応用力も試されているわけですね。

井上
「Webサイトをリニューアルしましょう」は、すぐに思い浮かびますが、実際にお客様に提案するときにもそうですが、「何のために」という理由がないと、リニューアルできません。
「お客様とのコミュニケーションがとれていない」という課題を解決したいなら、Webサイトのリニューアルも必要かもしれませんが、SNSをうまく活用する方法を考えることも必要ですよね。
「何を作るか」よりも、「何をどうやって解決するか」という提案をすることが求められます。
今回のゲストハウスウェディングの会社であれば、ターゲット層に式場を認知してもらうために、Instagramを使ったキャンペーンを実施して「インスタ映え」する式場として拡散を狙うのは、お客様もどうして必要かが分かりやすいと思います。
若い女性をターゲットとする企業では、Instagramのアカウントを運用しているところも多いですね。
電算印刷ではTwitterのアカウントを運用していますが、ホームページとは違う接点で、電算印刷のサービスのことを知ってもらえればといいなと思っています。電算印刷のサービス以外にも、長野県や松本市周辺の話題とか、DTPや印刷に関する話題にも触れたりしていて、身近な存在として感じてもらえるんじゃないかなと思います。

――SNSなどWebの活用が大事になるんでしょうか?

井上
コミュニケーションの課題を解決するには、Webを上手に活用することは必要です。
ただWebだけだと、まずはユーザに検索されないといけない、受け身になってしまう部分があるので、アクセスしてもらうためにオフラインで接点を作るような提案もあるといいと思います。ターゲット層向けの雑誌やフリーペーパーに広告を出すとか、イベントに出店するとか。

――もはや印刷からかけ離れているような気が…

井上
雑誌やフリーペーパーの広告とか、イベントで配布するチラシやパンフレットとか、先ほどの提案と被りますが、「インスタ映え」するペーパーアイテムとか…デザインや印刷の出番はクロスメディアでは欠かせません。その部分で解決できることなら、Webだけにこだわっていたらいけないので、適材適所ですね。
電算印刷としても、メインの分野は「印刷」ですが、松本市や安曇野市などの長野県内を中心に、自費出版相談会や紙すき体験などのいろんな企画やイベントを開催してきました。
ホームページだったり、印刷物だったりはお客様とのコミュニケーションの手段ですが、電算印刷では、いろんな手段をご提案できると思います。
印刷が必要なときだけじゃなく、とにかくどこに頼んだらいいのか分からないようなときに、頼ってもらえるようになれたらいいのかな、と。

「課題を見つけて、解決策を考える」という視点は大事にしたい

――すでに将来像のような話が出ましたが…

井上
「印刷だけではない」というのは、営業の方々がずっとそんな意識でやってこられていて、個人での希望という感じではないのですが…。

――クロスメディアエキスパートとして、今後はどんなことをしていきたいでしょうか。

井上
お客様へ企画提案をさせていただく際に、営業部や総合企画室の方々と協力して、WebサイトのコンテンツやSNSの活用方法などをご提案していけたらと思います。
印刷物に関しては、DTP課や印刷課の方だったりがそれぞれエキスパートですし、デザインのスペシャリストもいますので、その中でWebのことはここに…と頼ってもらえるように、勉強していこうと思います。

――今回勉強したことは業務に活かせそうですか?

井上
もちろんです!
「課題を見つけて、解決策を考える」という視点は大事にしたいですし、これからいろいろな場面で必要になると思います。
より広い視野で、お客様が「何を解決したいのか」を考えて、より良いご提案ができるように、これからも勉強していきます。
お客様に「頼んでよかった、これからもよろしく」と言われるようなものを、これからも作っていければと思います。

(注)所属、経歴およびインタビュー内容はすべては、取材当時のものです。